穏やかに傾斜する屋根、白い壁。四角くくり抜いた玄関は控えめでシンプルな佇まいが印象的だ。ここは、カワウチケンチクの平屋の旧モデルハウス。外に対して閉じながら、中に入ると一転、中庭を囲む明るい空間が広がっている。
広いデッキはアウトドアリビング。人目を気にすることなく
家族の時間を楽しめる。家にいることがもっとずっと、豊かになる。
住宅街の一角に建つ平屋。カワウチケンチクの特長がどんなところに表れているのか、河内太一社長に聞いた。
当初は総2階で考えていました。住宅取得層のボリュームゾーンである4人家族を想定すれば、2階建て、中でもコストの抑えられる総2階が、引き手も多いだろうと思ったからです。
ただ、私たちは限られた人数で、1年間に5棟と棟数を絞り、1棟1棟にじっくりあたっている。そう考えると、ボリュームゾーンを狙うより、自分たちらしさを分かりやすく形にして、発信した方がいいだろうと思い始めて。
もともと平屋が好きでしたし、予定地に十分な広さがあったので、これはいけると。道路に面していることも理想的でした。
採光を考えると北側は不利。ただ、北側に水まわりなどを設ければ防音にもなり、南に面して家族の集まるリビングを開けば、明るく開放感のある中、カーテンなしで暮らせる。北に面した土地は安いけれども、間取り次第で、理想的な家になる、ということも提示したかった。
16帖です。「こんなに広く取ってもったいない」と思われるかもしれませんが、このデッキがあることで、暮らしはすごく豊かになる。休みの日に家族でお昼を食べたりBBQをしたり。道路に面しているわけではないので、外からの目線を気にせず、いつでも気の向くまま、外に出られる。
デッキをコの字型に囲んで、LDKや玄関ホールを置くことで、三方の空間にも光が入ります。家にいる時間は長いので、窮屈に暮らしてほしくないと思って。
洗って、干して仕舞うまでを、コンパクトに完結できます。キッチンとも近く、壁一枚で仕切られているだけなので、料理しながら同時に洗濯もできる。特に主婦の方に好評です。
いつも、キッチンが家の中心、という考え方で設計しています。お子さんがどこで遊んでいても目に入るし、デッキでBBQをする時も準備や片付けがスムーズです。
大工の腕が発揮された性能力も体感して
冬はどこにいても暖かいです。うちの家づくりなら、エアコン一台で40坪までまかなえる。これは、経験と実績で証明されています。豊かな時間に、性能力も備えさせるのが基本で、先代も「見えなくなるところこそ、きれいにつくることが大事」と言ってきました。
そうです。構造材も手刻みで仕上げたりと、大工の技術には自信があった。ただ、10年前に自分の家を建てた時、断熱の大切さ、その進化を知って、家を建てるには性能をもっとちゃんと考えなければいけないと気づきました。
グラスウールです。昔からあるもので、もっともポピュラーでリーズナブルな断熱材ですが、数十年すると湿気を吸い込んで沈み、効果が持続しないと言われることもあります。
沈むのは、グラスウールという素材が悪いのではなくて、構造に使う木をちゃんと乾かしていなかったり、入れ方が悪かったり、気密シートを張っていなかったり、つまり施工に原因があると知ったからです。であれば、うちの施工力で、グラスウールの能力を引き出し、持続できるのではないかと。それにグラスウールは環境にもやさしいんです。
そうです。見えるところはもちろん、見えないところにも技術を尽くして、家族のための家をつくる。まずは、この開放感と快適さを実際に来ていただき、体感していただきたいと思います。